かつての人間の歴史を見ると、古代から現代まで、戦争、争いごとが世界から消えた時代はありません。それほどまでに、人間というのは愚かだし、常に資源とか土地とかそういうものを獲得するために、言い訳をして（相手のせいにして）争い事をしているのです。戦争を仕掛けた方は、その理由を必ず相手のせいにするし、仕掛けられた方は、相手を責めます。戦争なので当然のことなのですが、この裏には武器商人もいて、武器商人はこの戦争によって儲かるわけです。
人間はとても愚かです。当然私であっても、愚かさがあると思っています。その愚かさは誰でも持っているものだし、なぜなら人間は無意識で自分を守るようにできているからです。自分を守れない状況になると、人間は徹底的に自分を守るようになっています。それが本能です。
たとえば、パートナーが浮気したとき、それが発覚して追及すると、パートナーは「浮気相手が悪い」と言い放ちます。これは結構多いパターンです。沈黙するのはまだいい。「相手が自分を誘惑した」とか、ひどい時には、「自分は悪くない、君（妻）が自分を大切にしなかったから」などと、完璧に人のせいにするのです。
これが人間の愚かさです。人間が戦争をやめないのも、人間の世界の中で浮気が多いのも、ずべて人間の愚かさなのです。でも自分が愚かだとは誰もが思いたくない。だから、いかにも正論であるかのように、振る舞うわけです。
しかし、ある意味「人間は愚かだよね」というところに目を向けておくと、崖っぷちに立たされた時に、必ず正しい判断ができるようになります。愚かなのはどんな人間でも同じなので、それを認めることは難しいことではありません。なぜならその人個人の才能や努力を否定するものではないからです。いつも人間の愚かさが自分の中に存在している、ということを感じていれば、判断を間違えることはありません。
