昔は香港に住みたいと思った。しかし、香港は今、世界的に見ても魅力が薄れた都市となった。私は2000年からの香港の崩壊(あえて崩壊と書くが、自由を失った町だと思っている)を見てきた。すでに言論の自由はないだろうし、私が愛した香港はもう存在しない。2019年6月に民主化デモが始まり、2019年9月に、私の目の前で火炎瓶が飛んだ。その翌日に、空港へ向かうバスに乗り、荒れ果てた香港の街を見つめていた。「きっと、この町に戻ることはないだろう」
その思いは現実となった。やがてデモが落ち着くよりも前にコロナが広がり、デモの活動はコロナで消え去った。そして、私もコロナ後に渡航する勇気も長い間湧いてこなかった。
少し前に、仕事で作った会社を閉鎖するために再訪した時、私の知っている香港はそこにはなかった。心の中で寂しさを感じつつ、「やっぱりね」という思い。そして多分、この先に香港に行くことはないだろうと感じている。よほど友人や知人が私を必要としない限り。もちろん、彼らが日本に来た時には、大歓迎する。
しかし、この香港の崩壊を目の当たりにした今、この先の人生、どこで暮らしていくのだろうというのは、私の大きなテーマとなった。たまたまシンガポールの就職情報を見て、シンガポールに興味を持った。私がシンガポールを初めて訪れたのは、確か1998年だったと思うが、その時から考えれば、シンガポールの発展は目覚ましく、とてもじゃないけれど日本でも庶民の私が、いまのシンガポールに住めるわけがない、というほどの高い物価。そして就労ビザの要件が高すぎて、住むのは無理!その時にふと、マレーシアの求人情報を目にした。ああ、マレーシア。これから先の注目の国。おそらく、シンガポールのように、この先に大きく発展していく。ノマドビザの要件も、今のところは高くないので、ノマドでもOK。
でもふっと考えた。1つの国に長い間住めば、その国の欠点も知ることになるし、医療の面は日本人にとってはやっぱり日本がいい、ということになるだろうし、そう考えれば1つの国にこだわることもないんだな~と。日本のパスポートは強いので、多くの国で観光ビザで3か月は滞在できる。であれば、いろんな国に行って、気に入った国にちょっと長くいればいい。嫌になったら日本に戻ってこられる。占いという仕事の性質上、そしてZOOMなどで対面鑑定もできるようになった今、場所にこだわる必要はない。
テキスト鑑定をし、ブログを書き、時差を合わせてZOOMやgoogle meetで対面鑑定ができればOK。そうすればどこでも生きてゆける。占いノマド。占いの窓とも読める(笑)
生きる場所にこだわる必要がない、そう思うだけで、心が軽くなってわくわく、いい気分になる。いい気分になるということが大事。そうしたら、カタチとか手法とか、そういうことにこだわらなくても、自分の望みや望んだ以上の幸せは必ず手に入るのだ。